八十八ヶ所巡りの起源は、弘法大使が四国を巡り修行をし、その修行をした土地を霊場と定めたことが始まりとされます。しかし、当時は「八十八ヶ所を巡る」形式ではなく、あくまで人里離れた辺境の路「辺路」での修行が目的とされていたとか。八十八ヶ所を巡ることが定着したのは江戸時代に流行したガイドブックの影響とされています。
では、弘法大師は何を軸に修行を奨励していたのでしょうか。大師の考えの中心には「即身成仏」という教えがあります。これは、「仏は天国にいるのでも、自社仏閣にいるのでもなく、あなたの心の中に居る。死後に仏となり救われるのではなく、今のあなたが仏になることができる。」というもの。つまり、八十八ヶ所を巡ることによってご利益があるのではなく、八十八ヶ所を巡る中で自分の中にある「仏=心=理」に気づくことが八十八ヶ所巡りの本質なのです。
コロナウイルスのパンデミックも去り、人々が再び外に向かって歩み始めた今。もう一度私たちは、「八十八ヶ所巡り」の本質を捉え直します。雄大な景色、独自の文化、暖かな人の心、四国に存在する様々な「わたしふるえる体験」を巡ることで自分の中の心に気づき、新たな自分を始めていく旅。それが、NEO四国88祭なのです。